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ビジネスコラム

レスポンスが悪いとは?判断基準(何分・何時間)早見表と改善手順

2025.9.29

2026.1.8

営業のレスポンスが遅いと、見込み客との接触率や商談化率が大幅に低下し、致命的な機会損失につながります。

 

機会損失を防ぐには、業界の調査データに基づき、問い合わせに対する初回応答時間(FRT)を厳格に管理することが必要です。具体的にはSLA(サービス水準合意)を設定し、通知の自動化、当番制の導入、一次返信テンプレートの整備を行うことで改善できます。

 

この記事では、BtoB営業・インサイドセールスの担当者様に向けて、顧客の期待値から見て「レスポンスが悪い」状況の定義と、それによる機会損失を解説します。成果を最大化する初回応答時間の基準と、SLAに基づいた具体的な改善手順を確認しましょう。

 

本記事をリード獲得の効率向上の参考にしてください。

 

▼ すぐに使える「返信目安・文面テンプレ」へ移動する

【結論】営業レスポンスの判断基準(早見表)とすぐに実践できる改善テンプレート

本記事では、ビジネス(営業・問い合わせ)における「初回応答の速さ」を「レスポンス」として扱います。

 

ここでは、まず結論からお伝えしていきます。営業活動において機会損失を防ぐための基準と、今すぐ使えるツールをまとめました。詳細な理由や背景を知りたい方は、この後の「レスポンスが悪いとは?営業で機会損失となる判断基準」以降をご覧ください。

【まず確認】判断基準(何分・何時間で「レスポンスが遅い」?)早見表

「返信が遅い」と感じる基準は、相手の状況や緊急度によって変わります。まずは、チーム内で以下の「返信目安」を共有し、判断のブレをなくすことから始めましょう。

 

緊急度 営業時間内の一次返信目安 営業時間外の一次返信目安
高(至急) 15分〜30分以内 自動返信 + 翌営業日の開始直後
中(通常) 1時間〜3時間以内 自動返信 + 翌営業日の午前中
低(確認事項) 当日中(または24時間以内) 自動返信 + 翌営業日中

 

この数値はあくまで一般的な目安です。自社の業界や顧客の期待値に合わせて、現実的に守れるラインを調整してみてください。

【体制整備】初回応答を早める運用チェックリスト(SLA・通知・当番)

仕組みが整っていないと、個人の努力だけではレスポンスは速くなりません。次の項目を一つずつ確認し、誰でも速く返せる環境を作りましょう。

 

  • 一次返信の基準(営業時間内/外)を明確にする

  • 緊急度に応じた対応の優先順位を決める

  • 目標とする応答時間(SLA)をチームで共有する

  • 問い合わせの通知がチャット等で即時に届くようにする

  • 「誰がまず返信するか」の当番を決めておく

  • 迷わず返せるよう、コピペ用の一次返信テンプレを作る

  • 未対応の案件がひと目でわかる管理表(ステータス一覧)を用意する

  • 週に一度は応答時間を振り返り、ボトルネックを探す

 

運用がルール化されれば、担当者のスキルや状況に左右されず、安定したスピードで対応できるようになります。

【コピペOK】すぐ使える文面テンプレ(一次返信/催促/お詫び)

迅速に一次返信をするため、以下のテンプレートを状況に合わせて調整して活用してください。

 

テンプレ1:一次返信(見積・資料請求・問合せ共通)

件名:【受付完了】お問い合わせありがとうございます(担当:〇〇)

 

〇〇様

 

お問い合わせいただきありがとうございます。 本件、私(担当:〇〇)が承りました。

 

内容を確認し、本日【時:分】までに改めて次のアクション(お見積りの送付、または詳細のヒアリング)についてご連絡いたします。

 

お急ぎの場合や、本件に関する緊急のご連絡は【電話番号/担当直通】までお知らせください。 よろしくお願いいたします。

 

テンプレ2:催促(相手から返信がない場合)

件名:【ご確認】先日のお打ち合わせの件につきまして

 

〇〇様

 

いつもお世話になっております。〇〇(社名)の〇〇です。 先日はお忙しいなか、お時間をいただきありがとうございました。

 

先日お送りした資料(またはお見積り)につきまして、その後のご状況はいかがでしょうか。

 

もしご不明な点や、追加で必要な情報がございましたら、いつでもお気軽にお申し付けください。 勝手ながら、〇月〇日(〇曜日)までを目安にご一報いただけますと幸いです。

 

テンプレ3:お詫びと状況共有(返信が遅れる場合)

件名:ご返信遅延のお詫びと現在の状況につきまして

 

〇〇様

 

いつもお世話になっております。〇〇(社名)の〇〇です。

 

〇〇の件につきまして、回答にお時間をいただいており深くお詫び申し上げます。 現在、社内にて【確認事項の内容】を最終確認しております。

 

明日【時:分】までには正式な回答をお送りできる予定です。 お待たせしてしまい恐縮ですが、今しばらくお待ちいただけますでしょうか。

 

文面は相手との関係性や、社内で決めたSLA(目標応答時間)に合わせて調整して活用してください。

 

なぜ上記の基準(◯分以内など)を守る必要があるのか。 この後、レスポンスの遅さが失注を招く具体的な要因について解説していきます。

レスポンスが悪いとは?営業で機会損失となる判断基準

営業における「レスポンスが悪い」とは、見込み客が問い合わせた後の対応速度が、その期待水準や市場の競合スピードに追いついていない状態を指します。

 

顧客は問い合わせ後、迅速な対応を期待しています。その期待を裏切ると、その後の商談機会を失うリスクが格段に高まってしまうのです。

 

まずは自社に置き換えて、問い合わせから最初の返信が届くまでの時間を想像してみてください。

「遅い」ことで発生する3つの損失

レスポンスが遅れることで、営業活動全体に以下のような負の影響が出てきます。これは単なる機会損失に留まらず、ブランドの信頼低下にもつながりかねません。

 

  1. 機会損失(接触・商談化の低下)

    初回応答時間が5分以内であった場合と、6分〜24時間であった場合では、商談化率が最大で約8倍変わることがわかっています。(出典:HBR 2011InsideSales/XANT 2021

  2. 信頼低下(問い合わせ相手の不満の顕在化)

     

    取引先の営業担当者に感じた不満の最多は、「レスポンスが鈍い/スピード感がない」(54.3%)ことでした。(出典:SalesZine 2023

    期待したスピードで返信がないことは、企業に対する不信感や不満に直結してしまいます。

  3. プロセス長期化(調整の後ろ倒し)

    初動が遅れると、その後の日程調整や関係者の意思決定も後ろにずれ込みやすくなります。結果として、商談の成約率(受注率)そのものも落ちる傾向があるといえるでしょう。(出典:HBR 2011

 

自社に置き換えて、直近3か月の初回応答時間(FRT)と一次接触率を見直し、60分を超えているケースがどれくらいの比率になっているかを確認してみましょう。

成果を最大化する初回応答時間の目安(SLA)

HBR 2011によると、問い合わせへの初回応答時間は5分以内が最も有利であり、30分を超えると不利になるという傾向があります。

 

この結果から、運用上の目安として、社内でSLA(Service Level Agreement:サービス水準合意)を定めることが大切です。

解説:SLA(Service Level Agreement:サービス水準合意)

「どのくらいの時間内に問い合わせ相手に返答するか」をあらかじめ取り決めたルールのこと。

【関連】問い合わせフォームからの応答率をさらに深く分析した記事はこちら:フォーム営業のレスポンス率改善ガイド

 

SLAの最小の雛形(目安)は以下の通りです。

 

項目

基準(目安)

逸脱時のアクション

備考

受付(自動返信)

即時(数分以内)

担当者名・対応予定時刻を明記

一次接触(本返信)

営業時間内 60分以内

10分未対応で担当MGRへ通知

理想は5分以内の一次接触

時間外の返信

翌営業開始+120分以内

翌朝一番で赤アラート

自動返信で翌日の対応を明記

当番体制

1時間枠ローテーション

不在時は代理者が即時対応

当番を公平に均等割り振り

 

このSLAを明文化し、遅延時には自動アラートや段階的なエスカレーションで対応する仕組みを整えることが、機会損失の防止につながります。この基準を参考に、自社のSLA逸脱率や一次接触までの時間をダッシュボードで確認できるようにしてみましょう。

 

初回応答時間(FRT)と商談化率の相関

 

次は、応答速度の改善によって、具体的にどれだけの成果が変わるのかを数値でシミュレーションします。

数値で見る!レスポンス改善で商談数がどう変わるか

初回応答時間を「60分後」から「5分以内」に改善することで、商談数や粗利がどれくらい変わるのか、具体的な数値(目安)で試算します。

 

以下の試算では、60分後の商談化率を基準(5%)とし、5分以内ではその約8倍の商談化率(40%)になる仮定です。(出典:InsideSales/XANT 2021

初回応答時間改善による商談数と粗利の基本試算(月間リード100件)

この基本試算では、月間リード100件、粗利20万円/件を前提とし、応答時間を「60分後(商談化率5%)」から「5分以内(商談化率40%)」に改善した場合の差分を算出します。

 

前提

  • 月間リード数:100件

  • 60分後の商談化率:5%(目安)

  • 5分以内の商談化率:40%(目安)

  • 受注率:30%

  • 粗利:20万円/件

 

パターン

商談化率

商談数(100件中)

受注数

粗利

5分以内

40%

40件

12.0件

2,400万円

60分後

5%

5件

1.5件

300万円

差分

+35件

+10.5件

+2,100万円

※この数値はすべて目安であり、業界や商材によって差があります。必ず自社のデータで置き換えて確認してください。

60分後の商談化率別「感度分析」(粗利差分)

自社の現状の商談化率が低い場合と高い場合、それぞれでレスポンスを改善した際に得られる粗利の差分(改善効果)をシミュレーションします。

 

前提

  • 月間リード数:100件

  • 受注率:30%

  • 粗利:20万円/件

  • 5分以内の商談化率は、60分後の8倍とする。

 

60分後の商談化率

5分以内の商談化率(8倍)

粗利(60分後)

粗利(5分以内)

粗利差分(改善効果)

3%

24%

180万円

1,440万円

1,260万円

5%

40%

300万円

2,400万円

2,100万円

10%

80%

600万円

4,800万円

4,200万円

 

自社の直近6か月の実測CVRを60分後(基準)に当てはめ、5分以内の目標CVRを仮置きして試算してみましょう。自社に置き換えることで、改善の優先度を具体的にイメージできるはずです。

 

このように、初回応答時間を「60分後」から「5分以内」に改善することで、商談化率の大幅な向上と、最大+2,100万円(月間リード100件の場合の目安)という大きな経済的差分が生じることがわかりました。

 

これを踏まえて、次はレスポンス遅延が起きる具体的な原因と対処法を解説します。

営業レスポンスが遅い3つの原因と具体的な対処法

営業のレスポンスが遅れる根本原因は、「人手不足」「情報共有の遅延」「体制上の問題」の3つに大きく分けられます。それぞれの原因を把握し、対策を講じることが必要です。

 

これらの原因には、通知ルール、当番制、返信テンプレート、権限設定といった方法で対処していきます。

レスポンス遅延の3つの原因と具体的な対策

遅延の原因と対処法は、以下の表の通りです。

 

遅延の類型

主な原因

対処法(SLA担保のため)

人手不足

  • 担当者不在
  • 業務負荷集中
  • 割り当ての偏り

受付当番を1時間枠でローテーションし、公平に割り振る

情報共有の遅延

フォーム・CRM・通知ツールの連携不足

フォーム→CRM→Slack/メールを連携させ、FRTを自動記録する

体制の複雑さ・夜間

  • 誰が対応するか曖昧
  • 営業時間外の問い合わせ

自動返信で翌営業日の対応を約束し、翌営業開始+120分のSLAを明示する

SLAを守り、遅延を防ぐための「監視と自動是正」の仕組み

SLAを確実に守るためには、遅延が発生しそうな状況を早期に察知し、自動的に是正する仕組みが必要です。

 

  • 10分未対応:自動でマネージャーへ通知し、早期の対応を促す

  • 60分未返信:赤アラートを出し、代行者による着手を義務付ける

  • 週次レビュー:FRT中央値やP90(90%のケースが収まる値)、逸脱率、一次接触率を確認し、原因を振り返る

 

自社に置き換えるなら、まずFRTのP90が何分か(90%の問い合わせが何分以内に対応できているか)を算出し、SLAの60分を超えている要因を上記の3つの類型に振り分けてみましょう。

 

次は、これらの対策をすぐに実行するための具体的なテンプレートと運用セットを紹介します。

SLAを実践するための運用セットとテンプレート

SLAに基づいた運用体制を構築するには、すぐに使える「応答セット」を用意し、チーム全体で共有することが最も確実な方法です。

受付〜一次返信で使えるテンプレート3種

迅速に一次返信をするため、問い合わせ種別に応じて以下のテンプレートを活用しましょう。本文には必ず担当者名、対応予定時刻、次アクションを明記します。

 

  1. 見積依頼への返信

    • 件名:[受付完了] 〇〇様の見積依頼(担当:△△/対応予定:本日HH:MM)

    • 本文要素:受付番号/担当/対応予定/緊急連絡先/次アクション

  2. 資料請求への返信

    • 件名:[受付完了] 〇〇様の資料請求(担当:△△/対応予定:本日HH:MM)

    • 本文要素:受付番号/担当/対応予定/緊急連絡先/次アクション

  3. お問い合わせへの返信

    • 件名:[受付完了] 〇〇様のお問い合わせ(担当:△△/対応予定:本日HH:MM)

    • 本文要素:受付番号/担当/対応予定/緊急連絡先/次アクション

確実に実行するための当番表と通知・エスカレーション

当番表と通知の仕組みを組み合わせることで、特定の担当者に依存せず、チーム全体でSLAを達成・維持することが可能です。

 

当番表の回し方(例:9時~18時のメール返信対応用)

応答の遅延を防ぐため、業務時間中を1時間ごとの枠に分け、担当者をローテーションします。

 

  • 1時間×9枠で担当者を割り当て、不在時は代理タグで切り替える

  • 業務終了時に遅延事例を振り返り、翌日の割り当てやルールの見直しを行う

 

通知・エスカレーション

フォームからのデータをCRMに登録し、そこからチャットツール(例:Slack)へ即時通知する連携(Webhookなど)を構築します。

 

自社に置き換えるなら、当番表(1時間枠)と一次返信テンプレートを早めに共有し、翌日から運用を始められるかをチーム全体で確認してみましょう。

【FAQ】営業のレスポンスに関するよくある質問

ここでは、営業担当者様からよく寄せられる、レスポンスの遅延に関する疑問とその回答をまとめました。

Q. 「レスポンスが悪い」とは、具体的にどんな状態ですか?

A. 顧客の期待に応えられず、競合に先を越され、結果として商談機会が損失している状態です。

 

SalesZine 2023 によると、取引先への不満として「レスポンスが鈍い/スピード感がない」が最多です。これは、企業への信頼低下に直結します。

Q. 何分・何時間で対応すると「遅い」と判断すべきですか?

A. 見込み客への一次接触は、5分以内におこなうのが理想です。60分を超えると商談化率が大きく低下し、機会損失につながります。

 

SLAを設定する上では、自動返信を除いた本返信を、営業時間内60分以内に実施することを最低ラインとして運用しましょう。(出典:HBR 2011InsideSales/XANT 2021

Q. 自動返信だけでも、ひとまず対応として有効ですか?

A. 自動返信は「受付完了」を通知する上で必須ですが、本質的な「レスポンス」ではありません。自動返信で担当者名と具体的な対応予定時刻を明記することで、見込み客の期待値を適切に調整する役割を果たします。

 

人によるSLA60分以内での一次接触は、別途必要です。

Q. 改善しても人手不足でSLAに追いつかない時の対策は?

A. 以下の2つの対策が有効です。

 

  1. 自動化の強化
    CRMと通知ツール(Slackなど)の連携を徹底し、対応忘れを防ぐための仕組みを自動化します。

  2. 一次対応専任チームの設置
    営業担当者から切り離し、インサイドセールス部門などで一次対応専門の当番制を敷き、初動のスピードを担保する方法が推奨されます。

 

レスポンスの速さは、単なる事務的なスピードの問題ではなく、顧客に対する「誠実さ」の現れです。仕組みを変えるのは時間がかかるかもしれません。まずは今回紹介したテンプレートを1つ保存し、次のメールから使ってみてください。

まとめ

営業のレスポンスが遅くなるほど、見込み客との接触機会を失い、機会損失は大きくなるといわれています。5分以内の一次接触、そして60分以内の本返信をSLAとして決めておき、通知・当番・テンプレで運用すれば、レスポンス体制の改善につながります。

 

この記事で紹介した数値はあくまで目安です。必ず自社の記録を基に調整し、当番表と一次返信テンプレを早めに用意して、翌日から運用を始めてみましょう。

 

この記事で解説した、成果を最大化する初回応答時間の基準とSLAに基づいた具体的な改善手順を、ぜひ貴社のリード獲得体制の強化に役立ててください。