Manus(マナス)とは、中国の企業Butterfly Effectが開発した自律型AIエージェントです。
ChatGPTのような対話型AIと違い、指示を出すだけで情報収集から資料作成までを自動で進めてくれる点が最大の特徴で、SNSを中心に「中国発AIがすごい」と話題になっています。
この記事では、ChatGPTなどの生成AIを使ったことがあるユーザー向けに、Manusの特徴・できること・料金・安全性を解説します。読み終わるころには、「Manusが自分に必要かどうか」を判断できるはずです。
Manusとは|中国発の自律型AIエージェントの基本情報
まずは「Manusとは何か」を、3つの観点から整理します。
Manusを一言でいうと?自律型AIエージェントの特徴
Manusを一言でいうなら、「指示を出すだけで作業を代わりに進めてくれるAI」です。こうしたAIを自律型AIエージェントと呼びます。
たとえば「〇〇についてリサーチしてスライドにまとめて」と依頼すると、Manusは次のような動きを一連でこなします。
- Webサイトを自分で開いて関連情報を収集する
- 集めた情報を読み込み、要点を整理する
- スライド・レポート・Webページなどの成果物を生成する
- 途中で不足した情報をユーザーに確認したり、修正指示を反映したりする
さらにManusは、リリース当初に AIエージェント向けの評価指標である GAIAベンチマーク で OpenAI の Deep Research を上回るスコアを記録したと公表し、世界中で注目を集めました。
簡単に言うと、「何段階かの調べものや情報整理が必要な難しいタスクを、AIが途中で止まらず進める力」が高いとして話題になったということです。
コラム:ManuのGAIAベンチマーク
ベンチマーク:
AIモデルやシステムの性能を客観的に評価・比較するための共通テストのこと。「数学が解けるか」「文章を要約できるか」など、能力ごとにさまざまな種類があり、スコアが高いほど「その能力が高いAI」と評価される。
GAIAベンチマーク:
2023年にMeta・Hugging Face・AutoGPT等の研究者が発表した、AIエージェント向けの評価指標のこと。たとえば「ある映画の出演者を調べて、その人の出身大学の創立年まで答えて」のように、ふつうの会話AIなら詰まる「調べ物+推論+整理」の多段タスクが出題される。難易度は3段階あり、Level 3は何ステップもたどる難問。人間は約92%解ける一方で、発表当時のGPT-4は約15%しか解けなかった難関で、「おしゃべりの上手さ」ではなく「タスクを最後までやり切る力」を測れるのが特徴。
参考までに、Manus公開時点でのGAIAスコアは以下のとおりです(数値はManus公表値・OpenAIブログ「Introducing Deep Research」を参照)。
|
GAIAスコア |
Manus |
OpenAI Deep Research |
|
Level 1(簡単) |
86.5% |
74.3% |
|
Level 2(中程度) |
70.1% |
69.1% |
|
Level 3(難問・多段タスク) |
57.7% |
47.6% |
|
平均(参考) |
— |
約67.4% |
Level 2ではほぼ互角ですが、特に難問領域(Level 3)で約10ポイント差をつけたことが、「Deep Research超え」と大きく話題になったということです。
Manusはどこの国の会社が開発したAI?
Manusの開発元は、中国の企業であるButterfly Effectです。
もともとはブラウザ拡張型AIアシスタント「Monica(モニカ)」を提供していたチームで、そのノウハウを生かしてより自律的に動くAIとしてManusをリリースしました。
Manus公式サイトでは「Manus is now part of Meta(現在、ManusはMetaの一部になっています)」と案内されています。つまり、中国発AIとしてスタートしつつも、現在はグローバルに運営するサービスに変化していると考えられます。
コラム:Butterfly Effectの買収
2025年12月、Meta(Facebook・Instagramの運営会社)がButterfly Effect(シンガポール拠点)を買収したと複数メディアで報じられました。
2026年4月には、中国当局(国家発展改革委員会)がMetaによる買収の巻き戻しを命じたことが主要メディアで報じられました。さらに2026年5月には、Manus創業者側が買収解消に向けて資金調達を模索しているとも報じられています。
そのため現時点(2025年5月)で、Manusは公式サイト上でMetaの一部と案内されているものの、今後の運営体制は変わる可能性もあるでしょう。
ChatGPTやGeminiとManusは何が違う?生成AIとの比較
ChatGPTやGeminiなどの対話型生成AIを使ったことがある人ほど、「Manusと何が違うのか」が気になるのではないでしょうか。主な違いを下記の表にまとめています。
|
比較項目 |
ChatGPT / Geminiなど対話型AI |
Manus(自律型AIエージェント) |
|
基本の使い方 |
質問と回答のキャッチボール |
ゴールを伝えると自分で作業を進める |
|
得意領域 |
文章作成・アイデア出し・相談 |
リサーチ・データ整理・資料作成 |
|
作業中の動き |
その場でテキストを返す(機能によってはWeb検索やファイル読み込みなども) |
ブラウザやコードを使い裏で動く |
|
成果物 |
主にテキスト回答 |
レポート・スライド・Webページなど |
|
料金イメージ |
月額定額(20ドル前後が主流) |
月額定額(毎月付与されるクレジットを消費) |
どちらが優れているという話ではなく、役割が違うツールと考えるとわかりやすいです。日常の相談や文章作成はChatGPTやGemini、ある程度まとまった作業を任せたいときはManus、というように使い分けると良いでしょう。
Manusで何ができる?主な機能とAIの活用シーン
自律型AIエージェントと言われても、イメージしづらいかもしれません。そこで、Manusで実際に何ができるのかを、機能と活用シーンの両面から見ていきます。
自律的にタスクを進めるエージェント機能の中身
Manusに指示を出すと、おおまかに次の流れで作業が進みます。
- 指示を理解してタスクを分解:ゴールを読み取り、必要な作業に分解する
- 情報収集:Webブラウジングや添付ファイルの読み込みでデータを集める
- 作業実行:表作成、コード実行、文章・デザインの生成などを自動で行う
- 成果物の納品:レポート・スライド・Webページ・スプレッドシートなどの形で出力する
Manusの主な機能は次のとおりです。
- Webブラウザ操作:Webサイトを巡回して情報収集
- コード実行:Pythonなどでデータ分析やグラフ生成
- ファイル読み込み:PDF、CSV、Excel、画像などを解析
- 資料作成:スライド・レポート・Webページを自動生成
- クラウド非同期処理:ブラウザを閉じてもタスクが裏で進行する
- 思考の流れの可視化:何をどんな手順で進めているかが画面上で確認できる
ただ「複雑なタスクを一気に任せられる」というだけではありません。途中経過がリアルタイムに見えるため、他のAIでよく言われる、何をしているかわからない「ブラックボックス感」が少ないのもManusの特徴のひとつです。
Munusの活用シーン例|会社員・フリーランス・学生
ユーザーがManusを使うとしたら、たとえば次のようなシーンが考えられます。
◯ 会社員の活用例
- 業界トレンドの調査と社内向け要約の作成
- 競合5社の料金・機能比較表の自動作成
- 議事録・資料を読み込んでポイントだけスライド化
◯ フリーランスの活用例
- 提案資料・見積もりのたたき台作成
- クライアント業界の市場調査
- 簡易LP(1枚完結の集客用Webページ)・ポートフォリオサイトの下書き生成
◯ 学生の活用例
- レポート・卒論のテーマ調査
- 就活で受ける企業・業界の情報整理
- 旅行・イベントの計画づくり
「自分でやると半日かかる資料づくりをManusに任せ、その間に他の仕事を進める」という使い方が、ユーザーにとっては一番イメージしやすいでしょう。
Manusの料金とクレジット制度|無料で試せる?
「Manusは有料?無料?」「クレジットって何?」という疑問に答えます。
料金プランの基本構成
Manusの料金プランは、おおむね次の4つに分かれます(価格はドル建てが基準)。
|
プラン |
月額の目安 |
月あたりクレジット |
位置づけ |
|
Free |
$0 |
1,000スターター + 300/日リフレッシュ |
お試し・軽い利用 |
|
Pro($20/月) |
$20 |
4,000クレジット |
ユーザーの定常利用 |
|
Pro |
$40~100 |
8,000~20,000クレジット |
頻繁にタスクを回す個人・小規模利用 |
|
Pro ($200~/月) |
$200~20,000 |
40,000~5,000,000クレジット |
業務本格運用・プロフェッショナル向け |
|
Team |
$20/1名〜(最低2名) |
共有クレジットプール |
チーム利用・組織導入 |
※2026年5月時点
ChatGPT Plus(月20ドル前後)と比べると、Pro($20/月)はほぼ同価格、上位のPro($200~/月)はかなり高めの価格帯という位置付けです。
「対話するだけ」のAIよりも代わりに進めてくれる作業量が多いため、上位プランは高めの価格設定になっています。年額契約にすると約17%割引になります。
料金やクレジット付与数は改定されることがあります。最新の正確な情報は、必ずManus公式の料金ページで確認してください。
クレジットはどんなときに消費される?
Manusでは、タスクを実行するごとに「クレジット」を消費します。主なポイントは以下のとおりです。
- 1タスクごとに、難易度や作業量に応じてクレジットを消費
- 軽い質問・短いタスク:消費は少なめ
- リサーチ+資料作成のような複合タスク:1回で数百クレジット消費することも
- 有料プランでは月ごとに一定数のクレジットが付与され、無料プランでは毎日使えるクレジットが更新される
イメージとしては「携帯のギガ」に近い仕組みです。月初にギガ(クレジット)が配られ、重い動画(複雑なタスク)を見ると一気にギガ(クレジット)が減る、と思うとわかりやすいでしょう。
有料プランでクレジットを使い切った場合は、翌月の付与を待つか、追加クレジットを購入することになります。
無料枠で試せる範囲
「Manusを無料で試したい」という人は、Freeプランから始められます。無料枠の主な特徴は次のとおり。
- メールアドレス/Google・Microsoft・Appleアカウントで登録可能
- 登録時にボーナスのクレジットがもらえることがある
- 1日あたりの利用クレジットや同時実行タスク数に上限あり
- 高精度モデルや一部の高度な機能は使えない(有料プラン専用)
「軽い調べものや要約を数回試して、自分の用途に合うか見極める」くらいが、無料枠の現実的な使い道です。複雑なタスクを連発したい場合は、最初から有料プランを検討したほうがストレスは少ないでしょう。
Manusを使う前に知っておきたい安全性と注意点
「中国発AI」というキーワードから、Manusの安全性や危険性を気にする人もいるのではないでしょうか。ここでは、過度に怖がる必要はないものの押さえておきたいポイントを整理します。
個人情報・データの取り扱いで気をつけたいポイント
Manusに限らず、生成AI全般に共通する基本ルールとして、特に意識したいのは次の3点です。
- 入力する情報を選ぶ:氏名・住所・電話番号・クレジットカード情報など、本当に必要のない個人情報はそのまま貼らない
- 機密ファイルは慎重に:契約書、社外秘資料、未公開情報はアップロード前に「外部サービスに渡してよいか」を一呼吸おいて判断する
- 規約・プライバシーポリシーを確認:データの保存期間や学習への使われ方は時期によって変わるため、利用前に一度は目を通しておく
公式サイトによると、ManusはMetaの一部と案内されています。しかしMetaとの関係や運営体制は、今後変わる可能性もあります。
個人情報や業務データを扱う場合は、利用前にプライバシーポリシーや利用規約で、データの取り扱い・保存・第三者提供に関する記載を確認しておくと安心です。
Manusを業務利用するときに確認しておきたいこと
会社の仕事やクライアントとの仕事でManusを使う場合は、もう一段「組織側のルール」の確認が必要です。
- 勤務先で生成AIの利用ポリシーが定められているか
- 顧客情報・社外秘情報を外部クラウドAIに入力してよいか
- 成果物の著作権・商用利用範囲に関する規定
- 業務委託契約にAIツール利用の制限がないか
「個人で試す」と「会社の仕事で使う」では、チェック項目が大きく違います。まずはプライベートな調べもので使ってみて、業務利用は別途ルールを確認してからという順番が安全です。
Manusに関するよくある質問
本文で扱いきれなかった、Manusに関するよくある質問をまとめました。
Q. Manus AIはどうやって始める?(登録方法と最初の使い方)
ManusにはWebアプリ・モバイルアプリ・デスクトップアプリの3つがあり、自分の環境に合ったものを選べます。Webアプリでの最短手順は次のとおりです。
- Manus公式サイトにアクセスし「Sign up」をクリックする

- メールアドレスまたはFacebook/Google/Microsoft/Appleアカウントで登録する

- 「次へ」をクリックする

- 右上にある「Skip」をクリックする

- 右上にある「Skip」をクリックする(無料プランにする)

- 赤枠の入力欄にやってほしいタスクを1つ入力したら、「↑」をクリックする


- 進捗画面でタスクが完了するまで待つ

最初のお題は、「自分が普段やっている軽めの調べもの」がおすすめです。結果の良し悪しを判断しやすいテーマだと、Manusの実力を実感しやすくなります。
Q. ManusはInstagramなどSNSから直接使える?
InstagramやXなどSNS上で、そのままManusを起動して使うことはできません。実際に利用するには、Manus公式サイトのWebアプリやモバイルアプリから登録してアクセスします。
SNS上の「Manus公式」を名乗るDMやリンクには、まぎらわしい非公式アカウントもあるため、必ず公式サイトのURLからアクセスするようにしましょう。
Q. Manusは危険?中国発だが使っても大丈夫?
一般的なWebサービスと同じリスク管理をすれば、個人利用で「かならず危険」ということはありません。ただし、個人情報・機密情報をそのまま入力しない、業務利用は勤務先のポリシーを確認するという基本は押さえる必要があります。
現在、Manus公式サイトでは「Metaの一部」と案内されています。しかし2026年4月には、中国当局がMetaによる買収の巻き戻しを命じたとも報じられており、今後運営体制が変わる可能性もあります。
まとめ|Manusは「自分に関係ありそうか」を判断する材料を持って試してみよう
Manusは、リサーチや資料作成といった、実際の作業を任せられる自律型AIエージェントです。指示を出すだけで、Web上の情報収集や資料・スライド・Webページの生成といった一連の作業を進めてくれます。
ChatGPTなどの生成AIを使ったことがあり、「リサーチや資料づくりの一部をAIに任せたい」「面倒な調べものを丸投げしたい」といった目的があるなら、Manusは試してみる価値のあるツールです。
まずは無料プランで、自分が普段やっている軽めの作業を1つ任せてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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