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生成AI初心者でもわかるDifyの活用例と料金プラン

2025.7.22

2025.7.22

生成AI初心者でもわかるDifyの活用例と料金プラン

近年、文章作成や画像生成など、さまざまな分野で便利な生成AIが登場しています。しかし「プログラミングの知識がないと難しそう」「何から始めれば良いかわからない」と導入に踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

 

そのような方におすすめなのが、ノーコードで直感的にAIアプリケーションを開発できるプラットフォーム「Dify」です。

 

本記事では、生成AI初心者の方にもわかりやすく、Difyの魅力や具体的な活用例、料金プランを解説します。Difyについて知りたい方、生成AIの活用に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

ノーコード生成AI「Dify」とは?

Dify(ディファイ)は、誰でも簡単にAIアプリケーションを作成できるノーコード生成AIプラットフォームです。プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、チャットボットやコンテンツ作成ツールなどのAIアプリケーションを作成、公開できます。

Difyのここがスゴい!9つの特徴

ここでは、他の生成AIプラットフォームにはないDifyの魅力的な特徴を9つ紹介します。

1. プログラミングの知識がなくても直感的にアプリを作成できる

Difyは、プログラミングの知識が一切いりません。画面上を直感的に操作するだけで、誰でも簡単にAIアプリケーションを構築できます。

 

つまり、プログラミングの知識がない企画担当者やマーケターでも、自らのアイディアを形にできるのです。

2. 幅広いAIモデルに対応している

Difyは、GPT(OpenAI社)やClaude(Anthropic社)、Gemini(Google社)など、有名な大規模言語モデル(LLM)に対応しています。

 

加えて、オープンソースのモデルも利用できるため、用途や予算に応じて最適なAIモデルを選択できます。これらの選択肢があることで、アプリケーションの特性に合わせた柔軟な開発が実現可能です。

3. 用途に合わせた豊富なテンプレートがすぐに使える

Difyには、チャットボット、文章生成、翻訳など、さまざまな用途に対応したテンプレートがあらかじめ用意されています。

 

これらのテンプレートを活用すれば、ゼロから開発を始める手間を省き、すぐにアプリケーションを使用できます。もちろんテンプレートをもとに、カスタマイズも可能です。この手軽さから、すぐにAIを活用したい場合にはとても便利です。

4. セルフホスティングに対応している

Difyは、クラウド版だけでなく、自社のサーバー環境にインストールして利用するセルフホスティング版も提供しています。

解説:セルフホスティング

自社でシステムを保有し、運用する方法のこと

セルフホスティング版を利用すれば、機密情報を外部に出すことなく、安全な環境でAIアプリケーションを運用できます。このセキュリティの高さから、Difyはセキュリティ要件の厳しい企業にも導入されています。

5. 分析機能が搭載されている

Difyには、開発したAIアプリケーションの利用状況やパフォーマンスを分析する機能が標準で搭載されています。

 

この分析機能により、ユーザーの入力内容やAIの応答などを記録・分析し、改善点を見つけ出せるため、継続的なサービス品質の向上が期待できます。

6. 外部サービスとの連携がスムーズ

Difyは、API(Application Programming Interface)連携などを通じて、さまざまな外部サービスと連携できます。

解説:API(Application Programming Interface)

ソフトウェアやプログラム同士を繋ぐ仕組みのこと

例えば、SlackやNotionといった日常的に利用しているツールと連携させることで、業務効率を大幅に向上させることが可能です。

7. RAG機能が使える

Difyでは、RAG(Retrieval Augmented Generation)という技術を利用できます。

解説:RAG(Retrieval Augmented Generation)

外部のドキュメントなどを参照しながら、より正確で文脈に沿った回答を生成する技術のこと

社内ドキュメントや特定の専門知識をAIに組み込むことで、オリジナルのFAQボットや専門的な情報を提供するAIエージェントを作成できます。

8. 開発したアプリは簡単に公開できる

Difyで開発したAIアプリケーションは、専用のURLを発行するだけで簡単にWeb上に公開できます。加えて、Webサイトに埋め込むためのコードも提供されるため、既存のサービスへの組み込みも簡単です。

 

これらの手軽さから、多くの人に利用してもらうためのハードルが低いといえるでしょう。

9. 商用利用ができる

Difyで開発したAIアプリケーションは、商用利用が可能です。自社サービスに組み込んで提供したり、新たなビジネスとして展開したりと、収益化にも繋げられます。

 

ただし、特定の条件下では商用ライセンスの取得が必要になる場合があります。例えば、複数の企業や組織が共有して利用するクラウドサービスを運営する場合や、Difyコンソールに表示されるロゴや著作権情報を削除または変更する場合には注意が必要です。

 

これらの制限に該当する際は、Difyに問い合わせて、商用ライセンスを取得しましょう。

Difyの料金プラン

Difyには、クラウド版の3種類とセルフホスティング版の3種類の料金プランがあります。利用目的や規模に合わせて最適なプランを選べます。

クラウド版の料金プラン

ここでは、クラウド版の料金プランとその特徴、主な機能についてご紹介します。

プラン名 料金 特徴と主な機能
SANDBOX 無料
  • Difyをお試しで利用したい方向け
  • 1人での利用
  • アプリの上限:5個
  • 50MB 知識データストレージ
  • メッセージクレジット:200回/月
  • ドキュメントインポート数:50個/月
  • APIリクエスト数:5,000回/日
  • 30日間のログ履歴
PROFESSIONAL $59/月額
$590/年額
  • ビジネスで本格的に利用したい個人/小規模チーム向け
  • 3人での利用
  • アプリの上限:50個/月
  • 5GB 知識データストレージ
  • メッセージクレジット:5,000回/月
  • ドキュメントインポート数:500個/月
  • APIリクエスト数:無制限
  • 無制限のログ履歴
  • ドキュメントの一括アップロード(最大50件)
  • 優先メール
TEAM $159/月額
$1590/年額
  • 大規模な開発を行いたい方向け
  • 50人での利用
  • メッセージクレジット:10,000回/月
  • アプリの上限:200個/月
  • 20 GB 知識データストレージ
  • 優先メール、チャットサポートなど

2025年7月8日時点の情報

セルフホスティング版の料金プラン

ここでは、セルフホスティング版の料金プランとその特徴についてご紹介します。

プラン名 料金 特徴
COMMUNITY 無料
  • 個人ユーザー、小規模チーム、または非営利プロジェクト向け
ENTERPRISE 要お問い合わせ
  • 企業向け
  • 商用ライセンスの認可
  • SSO(シングルサインオン)対応
  • SLA(サービスレベルアグリーメント)
  • 高度なセキュリティ
  • Dify公式によるアップデートとメンテナンス
  • 専門的な技術サポート

2025年7月8日時点の情報

 

セルフホスティング版には、上記の他に「PREMIUM」という有料プランがあります。このプランを利用するには、AWS Marketplaceを経由して契約することが必要です。提供される機能は、無料で使える「COMMUNITY」プランと大きく変わりませんが、中規模の組織やチーム向けに用意されています。

Difyの7つの活用例

Difyは、柔軟性と使いやすさから、さまざまな用途に活用できます。ここでは、具体的な7つの活用事例を紹介します。

チャットボット

顧客からのお問い合わせ対応や、社内のヘルプデスクとして機能するチャットボットを作成できます。Difyのテンプレートを使えば、専門知識がなくても短時間で実用的なチャットボットを構築可能です。

 

24時間365日対応できるチャットボットは、顧客満足度の向上や業務負担の軽減に繋がります。

Webサイトの要約

指定したWebサイトのURLを入力するだけで、内容を自動で要約するアプリケーションを作成できます。情報収集の時間を大幅に短縮し、効率的なリサーチが可能です。この機能は、最新ニュースの把握や競合調査などに役立ちます。

Webスクレイピング

Webサイトから特定の情報を自動で収集するWebスクレイピングツールも開発できます。

解説:Webスクレイピング

Webサイトから情報を抽出する技術のこと

例えば、ECサイトの商品価格や口コミ情報を定期的に収集し、分析するといった活用が考えられます。

記事作成

ブログ記事やレポート、メールマガジンなどの下書きを自動生成するAIアシスタントを作成できます。キーワードやテーマを指定するだけで、構成案や文章のたたき台を短時間で作成してくれるため、コンテンツ制作の効率が飛躍的に向上します。

スライドの自動作成

プレゼンテーションのテーマや概要を入力すると、スライドの構成や各ページの内容を自動で生成するアプリケーションも開発可能です。資料作成にかかる時間を削減し、より内容のブラッシュアップに集中できます。

 

この自動化により、企画提案や会議資料の準備がスムーズになります。

音声入力アプリ

マイクからの音声入力をリアルタイムでテキストに変換するアプリケーションを開発できます。議事録作成の補助や、ハンズフリーでのメモ入力など、さまざまな場面で活用できます。文字起こしの手間を省けるアプリケーションは、業務効率化に繋がります。

AIエージェント

複数のタスクを自律的に実行する「AIエージェント」を構築できます。

解説:AIエージェント

特定の目的を達成するために、自ら判断し行動するAIプログラムのこと

例えば、顧客からのお問い合わせ内容に応じて、適切な情報を提供したり、担当者に指示を仰いだりする複雑な処理を自動化できます。

Difyを使い始める前に知っておきたい注意点

Difyは非常に便利なツールですが、利用を始める前にいくつか知っておきたい注意点があります。

機密情報が漏れる可能性がある

クラウド版のDifyを利用する場合、入力した情報や開発したアプリケーションのデータは、Difyのサーバーに保存されます。

 

一般的なセキュリティ対策は施されていますが、企業の非常に重要な機密情報や個人情報を扱う際には、情報の取り扱いには注意が必要です。セキュリティ要件が厳しい場合は、セルフホスティング版の利用を検討しましょう。

メンテナンスとアップデートに手間がかかる

特にセルフホスティング版でDifyを利用する場合、サーバーのメンテナンスやDify自体のアップデート作業を自社で行う必要があります。これらの作業には、専門的な知識や一定の手間がかかります。こうした理由から、運用体制を事前に整えておくことが重要です。

 

クラウド版であれば、プラットフォーム側のメンテナンスはDifyが行うため、運用面の懸念は軽減されます。

まとめ

Difyは、プログラミングの知識がない初心者でも、直感的な操作でAIアプリケーションを開発できる画期的なツールです。

 

豊富なテンプレートや幅広いAIモデルへの対応、そしてセルフホスティングでの利用も可能な柔軟性は、多くの個人や企業にとって大きなメリットとなるでしょう。チャットボット作成から業務自動化まで、Difyはアイデア次第で無限の可能性を秘めています。

 

生成AIの活用に関心をお持ちの方は、まずはDifyの無料プランから試してみてはいかがでしょうか。この記事が、あなたのAI活用の第一歩となれば幸いです。